受賞報告
受賞課題:循環器内科医としての卓越した臨床力と熱意ある後進の指導
瑞友会賞(臨床部門)受賞のご挨拶
集中治療部第二部長
藤田 浩志(H12卒)

この度は、名古屋市立大学医学部瑞友会賞(臨床部門)に選出いただき、身に余る光栄に存じます。また、瑞友会会長松本隆先生をはじめ関係の諸先生方に厚く御礼申し上げます。
私は2000年に名古屋市立大学を卒業し、旧第一内科に入局しました。入局当初より、循環器疾患、特に虚血性心疾患・心臓カテーテル治療に興味を持っていました。心臓カテーテル治療の技術を身に着けたいとわがままをいい、当時の医局の諸先生方および稲沢厚生病院・いなべ総合病院の諸先生方には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。しかし、諸先生方に、自分の意思をくみ取っていただき2005年より豊橋ハートセンターで勉強する機会を与えていただきました。その後、約4年間、豊橋ハートセンターにて心臓カテーテル治療の修練を行うことができました。心臓カテーテル治療の世界的権威である豊橋ハートセンターの鈴木孝彦先生をはじめ、多くの先生方にご指導いただき自分の中で心臓カテーテル治療に関しての基礎が出来上がったのではないかと思っております。
2009年より名古屋市立大学病院に循環器内科として帰局しました。大学にはそぐわない人間と思っておりましたが、前教授の大手信之先生にご指導いただき、心臓カテーテル治療に対する技術だけでなく、心不全・弁膜症といった循環動態に関して多くのものを学ばせていただきました。また、大学在籍中に、大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療(経カテーテル大動脈弁置換術)の立ち上げに従事させていただき、構造的心疾患に対するカテーテル治療の重要性を知ることができ、チーム医療の大切さや新しいことを一から始める難しさを学ぶこともできました。循環器疾患の治療により深く魅了される時期を過ごさせていただきました。
2023年からは蒲郡市民病院に赴任し循環器内科医として勤務しております。病院・現CEOである城卓志先生をはじめ、同循環器内科の先生方やメディカルスタッフの皆様方にはご支援いただき、とてもいい環境で診療にあたらせていただいております。これまで経験だけでなく、これからの経験も活かし、患者様により良い医療を提供し、蒲郡市民病院の循環器内科を発展・盛り上げていけるように精進したいと思っております。また、微力ながら循環器の魅力を伝えられるように後進の指導および循環器内科医の育成にも力を入れていきたいと思っております。
最後になりますが、今までご指導いただき支えてくださった稲沢厚生病院、いなべ総合病院、名市大病院、蒲郡市民病院のスタッフの方々と仲間に厚く御礼申し上げます。この瑞友会賞に恥じないような医師になれるよう精進するとともに、今後とも変わらぬご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
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- 2000年
- 名古屋市立大学医学部卒業
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- 2000年
- 名古屋市立大学病院臨床研修医
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- 2001年
- 厚生連尾西病院内科
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- 2004年
- 厚生連いなべ総合病院循環器内科
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- 2005年
- 豊橋ハートセンター循環器内科
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- 2009年
- 名古屋市立大学病院循環器内科臨床研究医
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- 2014年
- 名古屋市立大学大学院医学研究科循環器内科学分野助教
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- 2022年
- 名古屋市立大学病院急性期心臓疾患治療部副部長
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- 2023年
- 蒲郡市民病院循環器内科第二部長兼集中治療部第二部長
- 藤田浩志氏 授賞理由
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平成12年に本学を卒業し、一般内科を修練後に循環器内科を専攻し、平成23年に循環器専門医を取得、その後に日本心血管インターベンション治療学会専門医や経カテーテル的大動脈弁置換術SAPIEN実施医・指導医となり、令和5年からは蒲郡市民病院にて虚血性心疾患カテーテル治療から高度な弁置換術まで幅広く循環器内科医として卓越した臨床力を発揮しております。また総合内科専門医としてより一般的な内科臨床力を有し、学生指導や臨床研修医など若手内科医の指導にも非常に熱心かつ丁寧な指導を行っております。地域の中核病院である蒲郡市民病院が活力ある臨床病院として社会貢献する中心人物であり、多くの模範となる医師であることを確信しております。彼の卓越した臨床力と後進指導力については、瑞友会賞臨床部門にふさわしくあります。