受賞報告
同窓会賞を受賞して
[掲載日:2009年6月15日]
この度は、同窓会賞をいただき誠にありがとうございました。栄誉ある賞をたいへん光栄に思います。これまでご指導いただきました諸先生方に心より厚く御礼申し上げます。
私は平成5年に名古屋市立大学医学部を卒業し、小児科医として約5年間臨床の現場で様々な経験をしました。その中で、診療への深みを持ちたいということと新たな治療法の開発への興味を感じるようになり、医学研究の世界に可能性を探しました。大学院時代には小児期に発症する神経の腫瘍である神経芽細胞腫の自然退縮を含めた病態の多様性について研究を開始し、現在では神経芽細胞腫の研究と平行して、多くの臨床の先生方と様々なテーマで共同研究に参加させていただいております。その中でも最近特に注目しておりますのは、脳に多数存在するグリア細胞の動態を理解し、グリア細胞の力を借りて難治である神経疾患の克服に迫れないかということです。さらに、神経幹細胞の知見を基に再生医療の実現に向けての仕事も始動し始めています。
研究の成果を臨床の現場に還元することは容易ではないという現実に、打ちのめされそうになりますが、多くの方々のご協力、ご支援のおかげで研究を続けさせていただいている喜びを感じております。同窓生の誇りである“あの有名な青山光子先生”と同時に同窓会賞を受賞したことは私の一生の思い出になりました。同じ名字ということもあり感激も一入です。そして、今回の受賞は瑞友会からの“名古屋市立大学発信の研究を盛り上げてほしい”というメッセージを感じます。
ご期待に添えるよう微力ながらがんばっていきたいと思います。今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。最後になりますが、瑞友会の益々の発展をお祈り申し上げます。